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臨時列車
No.11

 

No.11 EF65形+24系 富士 早川~根府川

 2024年11月24日、高崎EL/DLが旅客営業を終了。群馬県内のSL伴走をはじめ、数多くの臨時列車牽引で名を馳せた名機たちが、この日をもって伝説となった。今後、工事列車や配給輸送で活躍が見られるのは未知数だが、せめて博物館や機関区で末永く大切に保存されてほしいものである。なかでも"P1"の愛称で親しまれたEF65 501号機は、栄光の東海道ブルートレイン牽引機で、レイル・ファンなら世代を問わず、その偉業を知らない者はいない。

 東海道本線からブルートレインが走り去ったのは2009年春のこと、休日のたびに、沿線へ繰り出した日々は今でも忘れない。最終日は雨の中、一番通った撮影地で見送った。もう、東海道でブルートレインを見ることは叶わない…。そう思って5年の月日がたった。なんと、東京駅が100周年を迎えることを記念し、1日限り、しかも東京~伊東間の短い区間であるものの、寝台特急【富士】が復活運転するというのだ。本運転は現役当時の本物のヘッドマークを提げて、夕方の東海道を下って行った。国府津駅で数時間前から場所を確保して面縦を決めた。

 本運転に先立って、1往復の試運転が行われたが、これが夜に東海道を下り、早朝に上るという夜行運転さながらのダイヤで運転されたことが嬉しかった。下りは深夜の米神踏切で、深夜の踏切の明かりに浮かぶ姿を捉えた。時間が時間とあって、本当に走ってきたんだと夢を見ているようだった。一方の上り、石橋鉄橋をサイドから見下ろす俯瞰に陣取った。快晴の午前8時前、汽笛を鳴らして檜舞台にブルートレインが帰ってきた!客車の窓の向こうに真っ青な相模湾が広がった。

​(2014年12月17日 東海道本線 早川~根府川)

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