​函館本線 七飯→大沼

 北海道の函館本線は道南と札幌都市圏を繋ぐ重要幹線だ。1988年の青函トンネル開通により、本州、特に首都圏と北海道を結ぶ重要なルートに組み込まれた。このとき走り出したのが寝台特急「北斗星」で、北海道新幹線が新函館北斗まで開業する前年の2015年まで上野と札幌を乗換なしで結んでいた。

 強い風の吹く2月の朝、太陽が昇る方角だけ空が顔を見せた。重連のディーゼル機関車が峠道へのスロープを駆け上がる。この先は、大沼、噴火湾、蝦夷富士の山々に牧草地帯と、北海道の大自然が待っている。終着、札幌までは約4時間の道程だ。

(函館本線 七飯→大沼 寝台特急北斗星)

​水郡線 下野宮→矢祭山

 水戸を出発した水郡線は福島県に入って最初の駅、矢祭山に到着する。久慈川が造り出した谷間にある小さな駅だ。周辺の山々や河原はよく整備されており、春には桜、秋には紅葉と、いつ訪れても楽しい場所である。著名な観光地としてシーズンには賑わう矢祭山だが、駅から吊り橋を渡ってひとたび山に分け入れば、そこは静かな里山。山の中腹の開けた場所から眼下を見下ろすと、春を迎えた南東北の集落に小さなディーゼルカーがゆっくりとやってきた。

​(水郡線 下野宮→矢祭山 普通列車)

​大井川鐵道 家山

 今や全国各地で行われている蒸気機関車の動態保存運転だが、大井川鐵道では他のどの鉄道よりも早く1976年から運転を開始している。ここのSL列車は1年を通してほぼ毎日運転され、日によっては2往復以上が走ることから盛況ぶりが伺える。蒸気機関車が牽引する客車も昭和初期に作られたものばかりで、往年の汽車旅を現代の子供たちに伝えている。

(大井川鐵道 家山 SL急行かわね路)

北陸新幹線 上越妙高→糸魚川

​ 2015年の春、新幹線はいよいよ日本海側を走るようになった。北陸新幹線の金沢開業だ。経済的な効果だけでなく、他の交通機関が停まるような大雪にも強いことが証明され、大成功を収めた北陸新幹線は、福井県の敦賀、いずれは大阪へとレールを伸ばす。

(北陸新幹線 上越妙高→糸魚川 新幹線かがやき)

​土讃線 大歩危→小歩危

 土讃線は四国の瀬戸内側と太平洋側を繋いでおり、「南風」や「しまんと」といった特急列車が頻繁に行き交っている。都市間輸送を支える大幹線だが、四国山地を越えるので、その区間内での移動需要は小さく、普通列車の本数は限られている。山と川の僅かな土地に人々が暮らす「大歩危」を訪れたのは梅雨のこと。日没を迎えたころ、流れゆく川霧の隙間からディーゼルカーが顔を出した。

(土讃線 大歩危→小歩危 普通列車)

​久大本線 野矢

 由布院や天ヶ瀬など、湯処を結ぶ久大本線。水分峠の手前の小さな駅、野矢に普通列車が到着。降りてきたのは手を繋いだ親子。きっと地元の人だろう。微笑ましい瞬間に立ち会えた。ありがとう。

​(久大本線 野矢 普通列車)

東海道本線 早川→根府川

 1981年に運転を開始した特急「踊り子」。当時からずっと185系電車が使われ、今や東京駅に発着する電車では最も古い車両になった。昭和、平成と駆け抜けたグリーンストライプの特急電車は新しい時代になっても走り続けてくれそうだ。楽しい伊豆の旅に万歳!

(東海道本線 早川→根府川 特急踊り子)

​東海道本線 富士→富士川

 富士は言わずと知れた紙の街。工場からは昼夜を問わず煙が立ち上っている。自分で見つけたとっておきの場所にカメラを構えて、太陽が昇るのを待った。ゴールドに輝く街並みを背に、貨物列車が西を目指す。

​(東海道本線 富士→富士川 貨物列車)

中央本線 藪原→奈良井

 山国である日本のなかでも、中部地方の山々はとりわけ厳しい。信州へ向かう鉄路は、どの経路も急曲線と急勾配を克服してきた歴史がある。過去には蒸気機関車を苦しめた鳥居峠は、スピードアップのために新ルートで線路を敷きなおし、車体を傾けてカーブを素早く曲がることのできる振り子式特急電車を導入している。美しい峠道には先人たちの苦悩の歴史と今を支える技術が詰まっているのだ。

(中央本線 藪原→奈良井 特急しなの)

根室本線 音別→古瀬

 どこまでも無人地帯が続く海岸線に敷かれたレールが敷かれた根室本線。本州の平野部では紅葉すら始まっていない10月の中旬、丘陵地帯を覆うクマザサはすっかり枯れ果てて、奥の山々には雪が積もり始めた。風の強かった日、釧路を目指す貨物列車は、白波を避けながら進んでいく。

​(根室本線 音別→古瀬 貨物列車)

宗谷本線 音威子府

 旭川と稚内を結ぶ宗谷本線の中間地点にある音威子府。かつてはここからオホーツク海経由で稚内へ至る天北線が分岐していたが廃止され、現在はバスがその役割を担っている。音威子府村の人口は約400人で、減少に歯止めがかからない。18時49分、札幌へたどり着ける最終列車である特急「スーパー宗谷4号」が入線。つかの間の賑わいは、ここが交通結節点として機能している証拠だろうか。

​(宗谷本線 音威子府 特急スーパー宗谷)

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